中小企業診断士の前に簿記2級は必要?社会人の学習順と基礎の補い方

簿記と診断士の本を持つフクロウが、簿記2級を先に取る必要があるか目的別に考えるイラスト 勉強法・スケジュール
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「財務・会計が難しそうだから、先に簿記2級を取るべき?」「簿記の資格がないと、診断士講座についていけない?」と迷っていませんか。

診断士試験への挑戦が目的なら、簿記2級の合格を待たず、診断士の財務・会計から始める方法をすすめます。一方、経理の仕事や職場の資格要件にも使いたいなら、簿記2級を先に目指す理由があります。

大切なのは、「簿記の知識を学ぶこと」と「簿記検定に合格すること」を分けることです。この記事では、目的別の選び方、基礎に戻る目安、教材・講義を試す手順を整理します。

中小企業診断士の前に簿記2級は必要?資格と知識を分けて考える

簿記2級の保有は、診断士の一次試験を受けるための必須条件ではありません。ただし、資格が不要だからといって、簿記の基礎を飛ばしてよいという意味ではありません。

出典:日本中小企業診断士協会連合会「令和8年度第1次試験案内の概要・受験資格」(2026年10月31日確認)。申込時は受験年度の正式な試験案内を確認してください。

仕訳の考え方や貸借対照表・損益計算書の仕組みは、財務・会計を学ぶ土台になります。診断士向け教材でこれらを学び、理解が難しい部分だけ簿記の入門教材で補う進め方もできます。

簿記2級の試験対策には、それ自体の学習・演習が必要です。仕事をしながら両方を目指す場合は、診断士のほかの科目に使う時間も含めて決めましょう。

簿記2級は役立つが、財務・会計と同じ試験ではない

日本商工会議所は、簿記2級で商業簿記と工業簿記(原価計算を含む)を扱い、財務諸表から経営内容を把握する力などを求めています。会計処理や原価の考え方を学ぶ価値はあります。

ただし、「簿記2級に受かれば診断士の財務・会計も対策不要」とは考えないでください。診断士の教材では、経営分析や投資判断なども含め、必要な範囲と問題の形式を改めて確認します。

出典:日本商工会議所「簿記2級」(2026年10月31日確認)。

先に取るか迷ったら、目的・期限・基礎の3点で決める

今の目的・状態進め方の目安
診断士試験を優先し、受験する年も決めている診断士向け教材を軸に、必要な簿記の基礎を補う
仕事・転職などで簿記2級そのものを使いたい簿記2級の取得を先に目指すことも検討する
借方・貸方などの言葉で止まる資格取得を決める前に、簿記の入門部分を試す
簿記2級を持っているが、診断士の問題は未経験診断士の問題で、知識の使い方と不足範囲を確かめる

この表は学習方針の提案です。合格までの時間を保証するものではありません。「不安だから資格を一つ追加する」だけで決めず、簿記2級が必要な理由を一文にしてみてください。

診断士を優先するなら、準備学習の終わりを決める

簿記を先に学ぶ場合も、何が分かれば診断士教材へ戻るかを決めます。たとえば「簡単な取引の仕訳を、理由を説明しながら書ける」「資産・負債・純資産を区別できる」といった目安です。

苦手意識が完全になくなるまで待つと、準備が長引くことがあります。入門部分を確認したら診断士の例題に戻り、今度はどこで止まるかを見て調整しましょう。

簿記2級自体が必要なら、二つの試験の計画を混ぜない

職場で資格取得を求められるなど、簿記2級を取る目的があるなら、その目標を優先する判断も自然です。その場合は、簿記の学習・受験と、診断士の学習を始める時期を別々に置きます。

同時に進めるときは「今月の主な目標」を一つ決めましょう。両方の講義を見続け、どちらの問題演習も後回しになる状態を避けるためです。

簿記が初めてなら、最初に確認したい3つの基礎

用語で止まったら簿記の基礎を確認し、意味が分かったら診断士の問題へ進む学習手順

ここからは、診断士の財務・会計に入る前後で使える確認手順です。簿記検定の全範囲や、合格判定のチェックリストではありません。

1.資産・負債・純資産、収益・費用の意味

まずは、言葉を自分なりに説明できるか確かめます。貸借対照表は一定時点の財政状態、損益計算書は一定期間の経営成績を表すものとして、何を見ている表なのかを区別します。

勘定科目の名前だけを覚えるより、「この取引で何が増え、何が減るか」を考えると、仕訳と財務諸表のつながりを追いやすくなります。

2.単純な取引を仕訳にする考え方

借方・貸方は、まず仕訳の左側・右側という位置から確認します。「借りたお金だから借方」と、日常語の印象だけで判断しないようにしましょう。

入門教材にある単純な取引を使い、解答を写す前に、動く勘定科目と増減を説明します。難しい決算処理を追加するより、基本の例題で何を見て判断するかを確かめてください。

3.利益と現金の動きが一致しないこと

売上が立つ時点と、代金を回収する時点がずれる取引があります。「利益が出たから、その分だけ手元のお金が増えた」とは限りません。

教材の掛け売り・代金回収などの例を使い、損益と現金の動きを分けて追ってみましょう。仕訳を覚えるだけでなく、取引が財務諸表にどう表れるかを見る練習になります。

社会人向け|最初の1週間で進め方を試す

簿記教材を一式そろえる前に、次のような試し方があります。これは提案する学習例であり、筆者が実際に行った1週間の記録ではありません。忙しい週は、日数を延ばして構いません。

  • 前半:診断士向け教材の簿記・財務諸表の入門部分を読む、または講義を見て例題を解く
  • 中盤:止まった理由を「用語」「取引の意味」「計算」に分け、用語や仕訳が原因なら簿記の基礎へ戻る
  • 後半:同じ例題を解き直し、診断士教材で先に進めるかを確かめる

通勤中は用語や解説の確認、自宅では紙に仕訳や計算を書く時間に分けると、作業を切り替えやすくなります。動画を見た日は、短い例題を自分でも解き、説明を聞いて分かった状態で終わらないようにしましょう。

解き直せたら、診断士の次の単元へ進みます。まだ用語で止まるなら、入門教材の説明を変えて試す方法もあります。基礎が曖昧なまま教材を何冊も増やすより、つまずいた箇所を具体的にすることを優先してください。

財務・会計全体の学習計画や演習の進め方は、こちらの記事で確認できます。

今回の記事で学習の入口を決めたら、科目全体の中で基礎確認と演習の時間を配分しましょう。

簿記3級を持っていた私の経験と、講座選びの注意点

私は診断士の学習を始めた当時、簿記3級を持っていました。2025年にアガルートの一次試験対策パックを受講し、財務・会計を含む4科目に合格しました。

この経験は、簿記を全く学んでいない状態からの結果ではありません。また、簿記3級を持っていれば誰でも同じ結果になる、という意味でもありません。資格の有無より、実際の教材でどこが分からないかを確かめてほしいです。

サンプル講義では「解説後に自分で説明できるか」を見る

初学者向け講座を選ぶときは、専門用語を言い換えてくれるか、途中の仕訳・計算が省略されすぎていないかを見てください。視聴後に例題の考え方を説明できるかも、相性を判断する材料になります。

アガルートの2027年合格目標の入門講座は、初学者を対象として、講師作成のテキストと講義映像を案内しています。簿記の説明を一人で読むだけでは進みにくい方は、候補の一つです。

ただし、手持ちの教材で理解できるなら、すぐに講座を追加する必要はありません。申込前には必要な科目・教材、質問できる範囲、配信時期、利用期限を希望コースごとに確認しましょう。

出典:アガルート「2027年合格目標・入門カリキュラム/一次試験対策入門パック」(2026年10月31日確認)。現在の案内と私の2025年の受講経験は区別しています。

私が受講して感じた良かった点と注意点は、次の体験談にまとめています。自分も同じ点に困っているかを考えながら読んでみてください。

価格や学習スタイルも比較して決めたい場合は、アガルートとスタディングの比較記事へ進めます。両社の購入コースに何が含まれるかをそろえて確認しましょう。

簿記と診断士の学習順でよくある質問

簿記3級から順に資格を取るべきですか?

資格取得そのものが目的でなければ、級ごとの合格を必須の順番にする必要はありません。まず入門レベルの説明で基礎を確認し、診断士の教材に戻れるかを試す方法があります。体系的に簿記を学びたい場合は、簿記3級の学習を区切りにする考え方もあります。

簿記2級を持っているのに問題が解けません

知っている内容でも、問われ方が変わると使い方に迷うことがあります。用語から学び直す前に、問題が求めているもの、使う数値、解答の手順を確認してください。未習の分野は診断士向け教材で補います。

簿記と診断士を同時に勉強してもよいですか?

可能ですが、両方の試験に向けた演習時間まで確保できるかで判断します。重なる内容があることと、片方の対策だけで両方を受験できることは別です。時間が足りなければ、先に達成したい目的に合わせて主軸を決めましょう。

今日の一歩は、簿記2級が必要な理由を「仕事でも使うため」か「診断士の財務が不安だから」かに分けることです。後者なら、まず診断士教材の入門部分と例題を試し、不足する基礎を絞って補っていきましょう。

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