「中小企業診断士って独学で合格できるの？」
これから勉強を始めようとする方が必ず気になる疑問だと思います。
合格率は例年4〜5％程度と低く、一次試験だけでも7科目・1,000時間近い勉強が必要とされるため、独学で突破できるのか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
実際に僕も社会人として働きながら受験に挑戦しました。
半年間で600時間以上勉強し、最初の模試では1科目も合格点に届かず「全滅」という結果に。
しかしその後、勉強法を工夫し、本番では4科目合格まで成績を伸ばすことができました。
この記事では、独学で合格できるのか？ という疑問に対し、合格率や必要な勉強時間といった客観データに加え、僕自身の受験体験を交えて「現実的な難易度」と「効率的な勉強法」を解説します。
独学で診断士を目指すか、講座を受講して診断士を目指すか検討している方にとって参考になる内容になっています。
中小企業診断士は独学で合格できるのか？
結論から言えば、独学でも合格は可能です。
実際に市販のテキストや過去問を使い、数年かけて合格を果たす人もいます。
しかし、合格率や必要な勉強時間を踏まえると、独学は相当な覚悟と工夫が求められます。
以下で詳しく解説していきます！
合格率から見る独学の難しさ
- 中小企業診断士試験の最終合格率は 例年4〜5％程度
- 一次試験の合格率は20％前後、二次試験も20％前後
- 合格までに 平均で1,000時間以上の勉強 が必要とされる
この勉強時間を「教材の取捨選択から自分一人でこなす」と考えると、社会人にとっては相当な負担になります。
ただし、中小企業診断士試験には科目合格制度がありますので、毎年地道に勉強していけば合格も見えてきます！
独学合格は「長期戦」になりやすい
独学合格者の多くは、1年ではなく 2～3年計画 で合格を目指しています。
科目合格制度を利用し、1年目に3～4科目、2年目以降に残りを積み上げるスタイルが一般的です。
独学は合格するために重要なポイントを絞ることができず、幅広く勉強してしまう傾向があるため、結果的に長期戦になりやすくなります。
社会人にとっての現実
僕自身、最初から独学は効率が悪いと感じたため通信講座を利用しました。
仕事をしながら限られた時間で結果を出すには、「何を重点的に学ぶか」を自分だけで判断するのは難しいからです。
週5日働いて、疲れながらその合間で勉強することになるので、いかに勉強を少なくできるかという部分も大切です。
独学では、「どこが重要か」も自分で判断することになるため、考えることが倍増します。
つまり、独学でも不可能ではありませんが、社会人が短期間で合格を目指すなら現実的ではないのが正直なところです。
独学のメリット・デメリット
ここまでで、独学の壁を中心に見てきましたが、ここからメリット・デメリットを整理します。
独学の壁はありますが、市販のテキストや過去問題集も充実しているため、勉強環境そのものは整っています。
ここで解説する、メリット・デメリットを天秤にかけてどちらで勉強するか参考にしてください。
メリット
費用が安い
通信講座や予備校と比べると、圧倒的にコストが低いことが最大のメリットだと思います。
- 最速合格のためのスピードテキスト（全7巻）：2,860円（税込）✖️7冊
- 最速合格のためのスピード問題集（全７巻）：1,870円（税込）✖️7冊
- 最速合格のための 第1次試験過去問題集（全7巻）：1,760円（税込）✖️7冊
- 最速合格のための 第2次試験過去問題集：3,410円（税込）
上記は合計で48,840円です。これだけ揃えれば十分勉強可能です。
参考までに各講座の金額も載せておきます。
| 予備校名 | 講座名 | 金額 |
|---|---|---|
| アガルート | 1次試験・2次試験対策 入門カリキュラム/フル | 217,800円（税込） |
| スタディング | パーフェクト | 74,800円（税込） |
| クレアール | 2026年合格目標 1次2次ストレート合格 パーフェクトコースWEB通信 (1次7科目) | 250,000円（税込） |
| TAC | 1・2次ストレート本科生 | 315,000円（税込） |
| LEC | 1次2次プレミアム 1年合格コース 【通学】Webフォロー付 | 264,000円（税込） |
| 資格の大原 | パススル 中小企業診断士（1次・2次） | 74,800円（税込） |
| 診断士ゼミナール | 1次2次試験プレミアム フルコース | 59,780円（税込） |
スタディング、資格の大原、診断士ゼミナールは比較的安いですが、それでも独学が最も安価であることは間違いないです。
自分のペースで進められる
講座を受講した場合は、大体の場合カリキュラムが決まっています。
そして、それ通りに進めていけば試験までに間に合うように設計されています。
しかし、独学の場合は進め方はすべて自分次第です。
カリキュラムに縛られず、自分の得意分野を先に進めたり、苦手科目に時間を多めに割いたりできるのはメリットと言えるのではないでしょうか。
ただし、自分を律することができないと、堕落してしまうためそこは注意点です。
自律心が鍛えられる
先ほどとも関連しますが、自分で勉強計画を立て、最後までやり切る力は独学ならではの経験値。
しかも、あなたは勉強しなくても、誰にも怒られないにも関わらず、自分を律して勉強していますよね。
さらに、中小企業診断士試験は難関資格と言われているため、独学で合格できたら大きな自信につながるでしょう。
このように試験勉強を通じて、自律心が鍛えられることは間違いありません。
デメリット
情報不足に陥りやすい
中小企業診断士試験は範囲が膨大で、一次試験は7科目です。
その中で、毎年情報は更新され続けます。
特に、中小企業経営・政策、経営情報システムは毎年目まぐるしく更新されるため、過去問だけでは不十分です。
また、科目ごとの難易度も年によって大きく異なるのも診断士試験の特徴です。
講座を受講していれば、プロの講師が分析してくれ、結果を伝えてもらうことで最新情報を知ることができます。
しかし、独学の場合は自分で情報を取りに行く必要があり、手間がかかるためデメリットと言えるでしょう。
勉強効率が悪くなりがち
範囲が膨大となる診断士試験では、「どれだけ少ない勉強量で、どれだけ多くの得点を取るか」が大切です。
そのためには、
- 絶対に押さえないといけないポイントはどこなのか
- 1つの論点に深入りしすぎていないか
- 読んでもわからない部分は講義で理解しやすくする
などを考えて勉強することが大切です。
独学でこのようなことを考えるのは、脳のリソースの無駄遣いであり、効率は落ちます。
僕も独学を避けた理由はそこで、それを考える労力すらもったいないと感じました。
このように、講座受講と比較して、考えることが多くなった結果、勉強効率が落ちることはデメリットと言えるでしょう。
モチベーションの維持が難しい
社会人が受験勉強をすると孤独に陥りやすいです。
学校だと尻を叩いてくれる先生がいますが、試験勉強はサボっても誰も怒ってくれません。
特に、頑張ってインプットしたけど、「過去問が全然分からない」、「模試で全然点数が取れない」となればモチベーションはダダ下がりです。
最悪の場合、途中で挫折してしまう可能性もあります。
講座受講の場合は、このモチベーション維持の仕組みは整っていることが多いです。
しかし、独学の場合は完全に自分との勝負になるため、モチベ維持が難しい点はデメリットと言えるでしょう。
短期合格は現実的に難しい
勉強効率にもつながりますが、独学の場合は2〜3年かけて、科目合格制度を利用しながら合格するのが一般的です。
もちろん、一発合格も不可能ではありませんが、勉強効率・時間の制限などを考えると、現実的にハードルは高いと思います。
短期で集中して一発で終わらすんだ！という考えの人は絶対に講座の受講がおすすめです。
効率的に勉強を進めるためのポイント
中小企業診断士試験は、合格率4～5％という数字からも難関資格であることが分かります。
しかし、工夫次第で効率的に学習を進め、合格までの道のりを短縮することは可能です。
ここでは、社会人の僕が実際に意識して成果につながったポイントを紹介します。
僕自身は通信講座での勉強でしたが、独学でも役に立つノウハウを紹介します！
科目合格制度をうまく活用する
診断士試験には「科目合格制度」があり、一次試験で60点以上を取った科目は翌年以降も免除されます。
7科目全てを満遍なく勉強するのは大変であるため、戦略的に科目合格制度を使うことは賢い戦略と言えます。
- 勉強する範囲を絞って勉強できる
- 短い時間でも合格点に到達する可能性がある
など多くのメリットがあります。
僕も1年目に4科目合格し、翌年以降に残り科目を狙う形で進めました。
過去問を中心に学習する
初めは知識を増やす必要があるため、どうしてもインプットの時間が多くなると思います。
僕は良い意味でも悪い意味でも完璧主義的な側面があり、全てをインプットしてから過去問を始めたいタイプでした。
しかし、「完璧にインプット👉過去問等のアウトプット」という流れは効率が悪いです。
インプットをすることは大切ですが、一通りインプットが終わったらすぐにアウトプットすることが大切です。
インプットしたから必ず問題が解けるとは限らないからです。
ポイントは、「インプット👉アウトプット👉インプット👉アウトプット・・・」を高速で回していくことです。
過去問を知ることで、その後のインプットの効率が爆上がりするので、騙されたと思って実践して欲しいです。
スキマ時間を最大限活用する
社会人はまとまった勉強時間を確保するのが難しいため、スキマ時間の活用が勝負になります。
机に向かって勉強することだけが、勉強ではありません。
- 通勤時間に参考書を読むなどインプット
- 昼休みに暗記カードやスマホアプリで知識確認
- 夜は演習や過去問を集中的に解く
僕の場合は、通勤時間に通信講座を倍速視聴したのがとても大切な時間でした。
独学の場合は、講義動画などはないと思いますが、スキマ時間の活用が鍵になることは間違い無いです。
「スキマ時間でインプット」、「机に向かう時間は全てアウトプットに費やす」くらいの意識で良いと思います。
通信講座を使って「迷う時間」を減らす
独学ではないですが、僕としては通信講座の利用を本当にオススメしたいです。
独学では「どの教材を選ぶか」「どの順番で進めるか」で迷いが生じ、効率を落としがちです。
通信講座ならカリキュラムが整理されているため、学習の取捨選択を自分で悩む必要がありません。
僕がアガルートを選んだのも、この効率性を重視したからです。
費用はかかってしまいますが、安価な通信講座もあるので、ぜひ検討してみて欲しいです。
まとめ
中小企業診断士試験は、最終合格率4〜5％前後という数字から見ても難関資格です。
独学で挑戦することも可能ですが、必要な勉強時間は1,000時間を超え、長期戦になりやすいのが現実です。
独学のメリットは「費用が安い」「自分のペースで進められる」ことですが、デメリットとして「情報不足」「効率の悪さ」「モチベーション維持の難しさ」が大きな壁になります。
特に社会人にとっては、仕事や家庭と両立しながらこれらを乗り越えるのは簡単ではありません。
僕自身も、独学も検討しましたが非効率だと感じ、通信講座を選びました。
結果的に、限られた時間の中でも効率よく学習を進められ、半年間の勉強で4科目合格まで成績を伸ばすことができました。
診断士試験は「独学では無理」ではなく「独学だと時間もリスクも大きい試験」だと考えるのが現実的です。
効率的に合格を目指すなら、過去問中心の学習やスキマ時間の活用に加えて、通信講座を活用するのが近道です。
挑戦を迷っている方も、自分に合った学習スタイルを選び、計画的に進めれば必ず突破できます。
診断士の学びは合格後のキャリアにも直結する大きな財産になります。
ぜひ一歩を踏み出してみてください。
